歯科インプラント治療の歴史

歯科インプラント治療

茨城 インプラント

日本の十数年前の話ですが、当時一部の歯科医師の中にインプラント治療に対して嫌悪感を示している方がいました。そうなったのも歯科インプラントの歴史を見ればわかると思います。今では嫌悪感を示す歯科医師は「勉強していない歯科医師」とされ、非常に少なくなっています。現在の歯科治療はインプラントなしには語れない時代なのです。では何故、十数年前の日本には「インプラント治療に賛成出来ない」という歯科医師がいたのでしょうか?その辺りを歯科インプラント治療の歴史からみてみましょう。

広い意味でのインプラントの歴史

インプラントの歴史をみると、まずエジプトでは歯の替わりに人工の歯が入っているミイラが発掘された事に驚きます。儀式の為だと思いますが、古代エジプトの人達も「歯を失った所に再び歯を取り戻したい」という願いを持っていた事でしょう。昔も今も、歯が必要というのは同じだった訳です。

近代的なインプラントは、19世紀末のアメリカから始まったといわれています。しかし、今の科学水準から見れば、それらは非常にお粗末なものでした。その中でいくつかを紹介しましょう。

  1. ①歯根の神経のあった場所に金属をねじ込み、それは歯根を突き破り骨の奥まで金属を挿入するという方式の「歯根骨内インプラント」
  2. ②顎の骨に溝を掘ってそこに細い板状の金属を打ち込み、その上に人工歯を取り付けるという「ブレード型インプラント」
  3. ③とうとう日本では、京セラが「サファイヤインプラント」を発売してしまいました。

この国産インプラントは人工サファイヤを骨に埋め込み、その上に人工歯を取り付けるのですが、この人工サファイヤは骨と結合しない為に動いてしまいます。これでは噛めませんので周囲の健康な歯を削って被せ物をし、それとインプラントの人工歯を連結するというものでした。今では考えられないような事をしていたわけですが、当時しっかり旧厚生省の認可をとっています。ほんの十年程前まで発売されていました。この頃の日本では京セラのサファイヤインプラントに関するトラブルが多発し、大学病院の口腔外科では、インプラントの除去が頻繁に行われていました。

日本では、このように科学的根拠の無い治療が行われていたという背景があった為にこの時代を知る歯科医師の中に「インプラント」という言葉自体に嫌悪感を示してしまう方がいたのです(このインプラントは現在発売されていません。)

その様な混乱期の日本に当時の東京歯科大学の小宮山先生が中心となって、「世界で唯一の科学的根拠を持ったインプラント」としてブローネマルクシステムインプラントが少しづつ浸透してきました。世界標準のオッセオインテグレーションインプラントの時代が日本にも来たのです。


ブローネマルクインプラントシステムの歴史

ブローネマルク教授

1952年(昭和27年)スウェーデンのブローネマルク教授がウサギで骨髄の血液循環を調べる実験をしていました。
その日の実験が終わって、骨に埋め込んだ金属製の生体顕微鏡を外そうとした所、その日に限って骨から外れませんでした。いつもと違う金属、チタン製の生体顕微鏡を使っていたのです。

そして、チタン製の生体顕微鏡と骨が緊密に接していることを見つけたのです。
偶然の発見です。

そして、ブローネマルクはチタンと骨が接合しているこ状態を「オッセオインテグレーション」と名づけました。当時の科学の常識では、金属と骨が結合する事は信じがたい事でした。科学の歴史が動いたのです。

その後、ブローネマルクは信頼できる科学者、技術者と共に13年間に及ぶ基礎研究、動物実験を行いました。そこで、あらゆるデータを集め、チタンがある条件のもとでは生体において異物とみなされずにオッセオインテグレーションする性質を利用し、人工歯根(インプラント)システムを開発したのです。

ブローネマルクインプラントシステムの完成です。

そして、1965年(昭和40年) スウェーデン・イエテボリ大学で34歳の男性の顎にインプラント埋入しました。しかし、まだ世界に公表はしません。そこからさらに15年間大学内で臨床研究を続け、371名の患者の410の無歯顎に2768本のインプラントを埋入し、上顎81%、下顎91%という好成績の臨床結果を得てから、やっと1981年(昭和56年)に「無歯顎患者の治療にオッセオインテグレイテッド・インプラントを用いた十五年間の研究」という論文を学術雑誌に発表しました。

当時、完璧でセンセーショナルな論文に世界中の歯科医師を初めとした科学者が驚いたといわれています。

この40年間に30を越える国々で約60万人以上の患者さんがブローネマルクインプラントシステムの恩恵を受けています。先進国においては、インプラント治療は特別な治療ではないのです。

骨とインプラントの結合

現在では、タイユナイトなどの技術が加わり、ブローネマルクインプラントシステムの成功率は98%に上がっています。

左の写真は、ブローネマルク・インプラントの表面を顕微鏡で見たところです。この金属に空いたミクロの穴はノーベルバイオケアー社だけの技術で、「タイユナイト」と呼ばれるインプラント表面構造です。タイユナイトと骨が絡み合っているのが観察されます。

日本でのブローネマルクインプラントシステムは、世界に遅れて1983年に初めて導入されました。先進国の中ではまだ普及が遅れていますが、これから普及していくと思われます。


ノーベルバイオケアー社だけのインプラント表面構造タイユナイト

タイユナイトとは、チタンで出来たインプラントと骨が接する部分のインプラントの表面構造の一つです。インプラントメーカーの技術差は大きく、各社色々と工夫していますが、タイユナイト構造が最も優れているといわれています。ブローネマルクインプラントを開発販売しているノーベルバイオケアー社が特許を持っています。他社のインプラントはチタンを使う事が出来ますが、タイユナイトの技術がありません。以下のTiUnite(タイユナイト)の情報は、NobelBiocareの資料から引用しました。読んだあなたは、タイユナイト構造以外のインプラントで治療を受けたいと思いますか?私ならタイユナイト構造を選びます。


タイユナイト

タイユナイトは、2000年の発表以来、インプラント歯科学に新たな歴史を刻みました。タイユナイトの特性によって、インプラント表面とその周囲の細胞や組織が密接に影響し合います。タイユナイトを使用する事で周囲組織のオッセオインテグレーションが促進され、しっかりとした固定が達成されるため、インプラント治療の予知性は、臨床的に厳しい状況においても向上します。


早期オッセオインテグレーション

早期に骨につくタイユナイト

タイユナイトの表面性状は、骨表面で骨の成長を促進します。骨は、初期の治癒期間中にインプラントのスレットの輪郭線に沿って形成され、タイユナイトが骨伝導性を備えていることを示しています。その結果、機械加工表面のインプラントより優れた初期固定を達成します。

左のグラフは、タイユナイトは、そうでないインプラントよりも早期に強固に骨と結合する事を示したものです。


即時負荷(イミデートローディング)

即時負荷インプラントの論文数

タユナイト・インプラントで示されているように、初期治癒期間におけるインプラントの固定維持は、臨床成功を決定する要素です。かつては困難とされていた症例や即時負荷を要する症例もタイユナイト・インプラントを使用することにより高い予知性を得ることができます。

左のグラフは、即時負荷(イミデートローディング)の論文は、ブローネマルクインプラントのノーベルバイケアー社のインプラントに関するものが世界で一番である事を示しています。


ソフトティッシュ・インテグレーション

歯肉とタイユナイトが付着

付着上皮細胞はヘミデスモゾームを介して天然歯同様にタイユナイト表面に付着するため、軟組織がインプラント周囲でシールの役割を果たします。(天然歯の場合は、付着上皮がその周囲の微生物に対する免疫防御を担っています。)ノーベルバイオケアー社のインプラント技術「タイユナイト」に見られる現象です。他の会社のインプラントではSoft Tissue Integration™は未確認です。


予知性の高い審美性

歯科インプラント埋入後審美的な歯科インプラント完成

臨床研究の結果、タイユナイトは辺縁骨頂部の損失を防ぐのに効果的であり、骨頂上の軟組織を安定させることが示されています。インプラントのカラー部分にタイユナイトを使用することで、優れた審美性が繰り返し観察されています。

上の写真は水戸インプラントクリニックおおとも歯科の治療例です。

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